A PAST AND FUTURE SECRET

昔から他人よりワンテンポ遅れた人間だった。
俺が初めてラジコンカーを買った時、クラスメイトたちは既にラジコンに代わる
新たなオモチャを見付け、徐々にラジコンでは遊ばなくなってきていたし、
俺が昼休みのサッカーに加わわるようになってから、
だんだんとサッカーに参加する人数は減っていった。
異性を意識するようになったのは高校生の頃、恋愛に興味を持ったのは大学に入ってから。
音楽にのめり込むようになったのも大学に入ってからで、
しかもそれは20年前に流行ったスタイルの、今となっては最高にダサい音楽。
ギターを買ったのはその5年後。捨てたのはその半年後。
周りの奴等が学園祭でバンドをやっていた時には微塵も興味がなかったのに。
酒を初めて飲んだのは会社の新入社員歓迎会、初めて記憶を飛ばしたのは2ヶ月前。
この歳になるともう、誰も記憶が飛ぶような無茶な飲み方はしない。
つい最近になってタバコを吸うようになったら同僚が禁煙を始めた。それも、3人同時に。
またか。
一人は、どういうワケだかは知らないが、医者に止められたらしい。これは仕方ない。
もう一人は嫁にやめろと言われたらしい。そういうことは結婚する前に言わないか、普通。
最後の一人は「体に悪いから」だとか。なかなか笑わせてくれる。
体に悪いのなんか初めから分かっていただろう。
どうせまたすぐに吸い始める癖に。
俺なんか恋愛すらマトモにしたことがないのに、結婚している奴がいる。
俺がようやく結婚する頃には既に離婚しているに違いない。
それで、俺が離婚して、ほとほと女に懲り果てて
もう二度と結婚なんかしないと心に誓った頃には、
コイツは再婚して幸せな家庭を築いていやがるのだろう。
ふざけた話だ。考えただけで胃がムカムカする。
俺がやっと定年退職して、自由な時間を得た頃には、お前等は全員墓の中にいるのだろう。
何故俺を独りぼっちにするんだ。
俺が墓に入る頃には、お前等はすっかり土に還って、
全く別の物質となってこの星を循環しているのだろう。
どうしていつも俺だけ置いてけぼりなんだ。
吐き気がする。
コメント

No title

すげーわかる。
漏れもワンテンポ遅れてる。

フィクションだけどね。

まあこんな感じでやっていきますので
ガンダーラな時にでも覗いてください。

No title

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僕はずれているし、いつまでもそこに停滞してる
ずれが広がるばかりだ

No title

どうせ追い付けないのなら追いかけるのをやめてみる、
どうせ届かないのなら手を伸ばすのをやめてみる、
それも一つの手かもしれません。

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